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3)案内サインには、
a.構内にある「各駅出入口」「各鉄道改札口」「昇降設備」「営業施設」「サービス施設」など利用を目的とした全ての施設
b.「アクセス交通施設」
c.「地理的な座標軸」と「目標となる街中の諸施設」を表現する。
また、
a.のりかえのわかる鉄道ネットワークの状況
b.名所地域と鉄道駅との位置的な関係
が表現されれば、利便性を高めることが期待できる。
4)誘導サインには、全ての施設について方向指示を表現することが量的にも性能上も不可能だから、適切な基準でプライオリティを設定して、限定した情報を表現する。
5)位置サインには、それぞれの施設名を表現する。鉄道駅を利用するうえで最低限必要なのは、
a.駅出入口名
b.改札口名で、特に駅出入口名は、分散する出場系動線の仲介情報としての「コード」だから、省略することはできない。
6)配置位置の原則は次のように考えられる。
a.案内サイン=駅出入口、改札口付近、基本動線分岐点
b.誘導サイン=駅出入口・改札口付近・基本動線分岐点間の一定間隔の箇所
c.位置サイン=それぞれの施設位置
7)サイン様式の原則は次のように考えられる。
a.案内サイン=視線レベルに表示できる壁付型・自立型など
b.誘導サイン=移動しながら読み取りのできる吊下型など
c.位置サイン=遠くから見通すことのできる吊下型・突出型など

 

3.情報表現のコード設定
1)第1項でみたように、コードはコミュニケーションの中核的な要素だから、これを適切に設定することは重要である。
2)ここでは「駅出入口名称」と「改札口名称」を例にあげて考察する。
3)現状の調査駅では、JRの改札口名が「北口」「南口」、ターミナル駅の駅出入口名が「西口」「東口」と、東西南北という地理上の絶対的なキーが、異なる概念の名称として用いられている。
4)このコード設定は、ターミナル駅全体としてみると、JRの中で南にある改札口は「相鉄口」ではないか、あるいは「S口」と仮称した駅出入口が「南口」の名称に適しているのではないか、というような疑問が起きる。

 

 

 

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